法務省が1月12日に発表した難民認定制度の運用見直しでは、申請から2ヵ月以内の振り分けなど迅速な審査により、就労目的の濫用申請を防ぎ、「真の難民」の迅速な保護を図るとしています。「真の難民」については、法務省が従来から公表している資料「難民と認定した事例等について」が参考になりますので、以下に引用します。
「難民」の定義
出入国管理及び難民認定法では、「難民」の定義について、「難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)第1条の規定又は難民の地位に関する議定書(以下「議定書」という。)第1条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいう。」と規定しています(入管法2条3号の2)。
これら難民条約及び議定書上の難民(以下「難民条約上の難民」という。)の定義は、「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するために国籍国の保護を受けることを望まないもの、及び、常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって、当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないもの」となっています。
難民該当性の判断
申請者が申し立てる「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」に係る本人や関係者の供述や提出資料等の証拠を元に、不自然、不合理な点がなく一貫性があるか否か、出身国等に係る客観的情報と整合するか否か等の観点から信ぴょう性の評価を行った上で、その内容が難民条約上の難民の定義に該当するか否かの難民該当性を判断しています。
「難民条約上の難民としての認定」と「人道配慮による在留許可」
武力紛争による本国情勢の悪化に起因する生命の危険から我が国に逃れてきたなど、難民条約上の難民に該当するものとは認められないものの、国際的保護を必要とする者等については、人道上の観点から本邦での在留を配慮するものとして、個々の事案ごとに諸般の事情を勘案した上で、在留特別許可や在留資格変更許可を行うなどの法制度の運用を行っています。これら「難民条約上の難民としての認定」及び「人道配慮による在留許可」により、我が国での庇護等を行っているところです。
以上
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