法務省は1月12日、難民認定制度の運用見直しによる審査迅速化にあたり、近年の難民認定申請の状況を公表しています。これによると、平成29年1月から9月末までの難民認定申請数は、14,043人(前年同期比で約77%増・6,117人増)となり、すでに平成28年の申請数(10,901人)を大きく上回っています。このうち、約9%に当たる1,242人が、過去に難民不認定処分を受けたにもかかわらず申請を繰り返している申請者であり、申請回数が最多の申請者は6回目の申請となっています。
申請数全体は(平成26年)5,000人→(27年)7,586人→(28年)10,901人→(29年1月~9月)14,043人と推移しています。
国籍別申請数の推移
平成29年1月から9月末までの申請者の国籍は77カ国にわたり、申請者数上位からフィリピン3,177人、ベトナム2,329人、スリランカ1,825人、インドネシア1,342人、ネパール1,097人となっており、これら上位5か国で申請数全体の約70%を占めています。
特に上位3か国(フィリピン、ベトナム、スリランカ)は、前年同期に比べて2倍を超える大幅な増加となっています。
フィリピンは(26年)82人→(27年)299人→(28年)1,412人→(29年1月~9月)3,177人と推移。
ベトナムは(26年)294人→(27年)574人→(28年)1,072人→(29年1月~9月)2,329人と推移。
スリランカは(26年)485人→(27年)469人→(28年)938人→(29年1月~9月)1,825人と推移。
インドネシアは(26年)17人→(27年)969人→(28年)1,829人→(29年1月~9月)1,342人と推移。
ネパールは(26年)1,291人→(27年)1,768人→(28年)1,451人→(29年1月~9月)1,097人と推移。
法務省は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がプレスリリースした「グローバル・トレンズ2016」において、世界で避難を余儀なくされている人の多い上位5か国とされている国々(シリア、コロンビア、アフガニスタン、イラク、南スーダン)からの申請者はわずか29人にとどまる一方、大半は、大量の難民・避難民を生じさせるような事情がない国々からの申請者となっていると報告しています。
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