難民認定申請の処理を迅速化、急増する就労目的の濫用防ぐ

法務省は1月12日、「難民認定制度の適正化のための更なる運用の見直しについて」を公表し、初回申請に対して2ヵ月以内の迅速な該当性判断などで、就労目的の制度濫用を防ぐ方針を示した。

初回申請者に2ヵ月以内の結果通知

近年の難民認定申請の急増は、日本での就労を目的に、借金トラブルなど明らかに「難民」の定義に該当しないことを根拠に申請したものが大多数を占めているという。この濫用の背景として、平成22年(2010年)3月から始めた運用で、難民認定申請から6ヵ月経過すれば申請の結果が出るまで就労可能になったことが主たる要因となっているという。この制度を、就労可能な在留資格を取得できない外国人が濫用し、不認定の結果が出ても、再申請や不服申立てをすることで、在留期間を延ばすことが常態化している。法務省では、平成27年(2015年)9月に、「難民認定制度の運用の見直しの概要」を公表して、濫用・誤用の難民認定申請を防ぐ措置を取ったが、これは何度も申請を繰り返す再申請者を対象とするものであった。大半を占める初回申請者には適用されないため、濫用による申請は更に増加することとなった。そこで今回、初回申請者も対象に、申請受付から2ヵ月以内に、明らかに難民に該当しない場合は在留を認めない通知を出すなど、更に迅速な運用がとられることになった。

更なる運用の見直しは以下の通り。

(1)初回申請では,案件の内容を振り分ける期間を設け,その振分け結果を踏まえて,速やかに在留資格上の措置(在留許可,在留制限,就労許可,就労制限)を執ります。
(2)難民条約上の難民である可能性が高いと思われる申請者には,速やかに就労可能な在留資格を付与し,更なる配慮を行います。
(3)初回申請でも,難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を申し立てる申請者には在留を許可しません(在留制限)。
(4)在留制限をしない場合でも,失踪した技能実習生等本来の在留資格に該当する活動を行わなくなった後に申請した申請者には就労を許可せず(就労制限),在留期間も「3月」に短縮します。

以上

外国人が在留資格変更、在留期間更新の許可申請をする際の基本的事項は、法務省が公表している《在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン》...

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